トレトレ外国人からの脱却のために ~程度を表す副詞 largement/ massivement / serieusement ~

 突然ですが、フランス語会話であなたは「トレトレ外国人」になっていませんか?今日はこの「トレトレ外国人」からの脱却がテーマです!

 ・・・って、のっけから何だこのタイトル、と思われた方も多いはず(笑)。解説すると「トレトレ外国人」とは私の造語で、そのココロは「会話で”très”(発音でいうと「トレ」)ばかりを連発する外国人」のことです。はたで聞いている私ですら「この人”très”使いすぎ!?」って驚くことがたまにあります(笑)そう、そうした「トレトレ」叫び続けている人の総称なのです。

 今日このテーマをご紹介したいのは、先日の米大統領選挙の当日、現地のアメリカ人有権者がフランス語でインタビューに応じていた時の報道で、インタビューを受けた有権者が”le vote est très, très divisé dans cet état”’(この州は共和党、民主党支持者の間でとても票が割れているから・・・)と表現していたのを聞き、「なんて幼稚な表現・・・」と笑ってしまったのがきっかけです。よくよく振り返ってみると、Podcast内で紹介されている外国人向けインタビューで外国人が話すフランス語も、結構こうなってしまっていることが多いのです。そう、そこのあなたも他人ごとではありません

 フランス語の学習を始めて最初に習う「程度」の表現は”très“です。しかしながらこの”très”と言う表現は、プラス/マイナス問わず共に使える単語なので、とりあえず”très ~”を使ってしまい、そのあまりの便利さに、程度を表す副詞を覚えることをだんだんと怠るようになってしまうという強い中毒性があります。そしてその究極系が、会話で”très, très sympa”など「トレトレ重ねてなんぼ」みたいに勘違いし、ひどいときは一文の中に3回も4回も”très”を使ってしまうこと。もうこうした人たちは末期症状で(笑)、はたから聞いていると終始トレトレ・トレトレ言っている「トレトレ外国人」になってしまっているのです!

 ですが、今まで投稿からすでにお気づきのとおり「繰り返しが基本的に好まれない」「同じ意味の単語、表現で適宜置き換える」というフランス語のお作法に対して、トレトレ外国人はアウトサイダーどころか、もはやアウトローな存在でしかない(笑)。またお作法以前に、こうした繰り返し表現は子供っぽく聞こえてしまい、またもや優秀なあなたの株を下げてしまいます。

 でもあなたは思うでしょうね、そうはいっても“très”を使わないでどうやって話すのか?と

 答えは簡単です。“très”を置き換える程度表現を学べばよいのです。そう、trèsの恩恵にあずかりまくってその後怠った努力を、ここで再開すればいいだけの話なのです(笑)早速以下、”très”の代役を果たす副詞を見ていきましょう。