【最新】2021年・公立高校入試・英語過去問の所感と、来春の対策①(リスニング)

みなさま

いかがお過ごしでしょうか?

今回の入試特集は皆様お待ちかね!?の公立高校入試英語です。私立の入試と比べ、公立高校の英語は昨年から出題傾向が安定しているため対策が立てやすいかなと思います。安定、というのは「安定の難しさ」ということです。決して難問・奇問ではないものの、毎年同様に「考えて解答させる」という出題傾向(随所に現れるプチ英作文)は変わっていません。

ですが逆の見方をすれば、公立・私立と対策を分けて考える必要がほとんどなくなったとも言えます。ですから基本に忠実に、つまり教科書の完全な理解と定着ができていれば公立・私立を問わず共通して対策ができるということになります。

これはかなり重要なことです。なぜなら併願の場合、特に英語以外の他教科に振り分けられる時間が増えることを意味します。ですからこうした流れを利用しない手はありませんが、同時にそれは他教科の合格平均点の向上ももたらしますからより競争は激化するでしょう。併願者の場合は気を付けておくべきポイントだと思われます。

前回の金沢高校・2021年入試英語はいかがだったでしょうか?これまでご紹介した3校に共通する要素、それは大学入試共通試験に歩調を合わせるように「考えさせる問題」というのが顕著に増加していることです

公立高校入試問題は、もちろん「公立」なのでそうした国の教育方針に従うというのは当たり前なのですが、私学でもこうした傾向が見られるということは、来年入試もこの傾向は確実にメインストリームとなることでしょう。

ではどうすれば良いのか?といえば、当塾の見解としては「教科書の演習問題を、授業の中できっちりと消化しておく」ということです。

予備校は学校内のグループワークや問題演習までは面倒を見ません。ですが日々のグループワークで「あなたの意見は何か?」という課題を逐一面倒くさがらずに自分の頭で考えて、きちんと自分の答えを持つ、ということです。そう、「正しい答え」を見つけることではなく、あくまでも「自分で考えた結果、論理的に導き出した答え」が大切なのです。

なぜでしょうか?それは自由英作文の出題内容を見れば一目瞭然です。自由英作文は択一式の問題ではなく、論理的に考えられた解答はすべて正解になります。ですから、どんなに些細なテーマであっても「自分の頭でしっかりと考え抜かれているものか」ということを採点官は見ていることになります。

当塾もこの一年間”New Crown”を授業教材として使う中で見えてきたのは、この教科書にはそうしたグループワークに適した演習問題がふんだんに散りばめられていることです。公立入試というのは基本的に教科書の理解、学習範囲がベースですから尚更です。

ですから教科書を馬鹿にせず、むしろ教科書を一冊完璧に仕上げるような勉強方法を心がけるようにしてください。予備校でいくらオリジナル問題集を解きまくったとしても、結局は「教科書が一番頼りになる教材」というのを実感するはずです。

 

ともあれ最初に、本年の解答結果から・・・

本年は何と「五問間違い」でした!実はこれは歴代で最も悪い正答数になります。ちなみに過去のものがどうだったかというと・・・

という結果です。つまり2019年の四問間違いがワーストだったのが、ワースト更新してしまいました・・・多少言い訳がましくはなりますが、問題の傾向としては2019年から明らかに難易度が上がってきているといえるでしょう。

それでは早速第一問から見ていきましょう。

第一問:リスニング

パートA:会話文

昨年同様、会話文に続く正しい文章を答えさせる問題です。会話のスピード/語彙レベル自体は平易で、特に聞き取りづらい単語や表現等は見られません。非常にオーソドックスな出題です。文章も回答も印刷されておらず、単純に正誤を選ばせるだけなのでそこが心理的に不安を覚えるかもしれませんが、過去問できちんと対策をしておけば焦ることもありません。

パートB:会話文(イラスト付き)

会話文を聞き、正しい回答をイラストから答えさせる問題です。会話のスピード/語彙レベルはパートA同様に平易で、特に聞き取りづらい単語や表現等は見られません。出題傾向は大きく分けて「分類系」「描写・説明系」「数字・曜日系」の三パターンに分かれます。

<分類系>イラスト内の選択肢をよく見ると四択が2つの系統に分類できるので、その分類のキーワードを頭に入れておき(男性/女性、眼鏡をかけている/いない、立っている/座っている、髪が長い/短い、など)、そのキーワードを集中的に聞くというやり方がオーソドックスな解法です。

<描写・説明系>選択肢の一つ一つが違っており分類が難しいため、四択のまま問題文を聞かなければならず少し不安を覚えます。この描写・説明系の問いに対しては「会話のシチュエーション」を正確にとらえることが大切です。「誰と誰が」「どこで」「どのような状況で」なされている発言なのか、を的確に理解することが必要です。

数字・時間系>数字や曜日、時間等の聞き取りはリスニングの王道問題ですので、しっかり対応できるようにしておきましょう。気を付けるべきポイントは

①数字:「13~19(-teen)」と「30~90(-ty)」の発音の的確な聞き分け

②時間:「~時10分前(before 10 minutes)」「~時15分過ぎ(past 15 minutes)」などの表現。”~ o’clock”もしくは”~ hours”が耳に入った瞬間に気が少し緩んでしまうのですが、必ず”before 10″,”past 15″等の表現が続くかもしれない、という緊張感を維持して聞いてください。

③曜日:曜日の単語が聞こえたとしても即断せず、「来週(next)」「先週(last)」「翌日(next day)」「前日(the day before)」等の条件と合わせて何曜日・何日なのか、を的確に判断できることが必要です。

具体的に解法を見ていきましょう。

No.1:正しいイラストを選ばせるものですが、案外とイラストの情報量が多いため何を基準に見ていけばいいのか、一見するとわかりづらいです。

このような場合には「大きく2つに分類できる要素は何か?」をまず確認しましょう。私が解答した際には「チキンが1ピースか2ピースか」にまず着目しました。その他、例えば「デザート(アイス)の有無」でも良いですし、「オレンジジュースか、アップルジュースか」でも良いでしょう。

そうして着目したポイントをまず1回目のリスニングで2択に絞り、そして2回目のリスニングで正解をさらに絞っていく、というやり方が賢いやり方だと思います。

No.2:この問題もNo.1同様に「大きく2つに分類できる要素は何か?」に着目します初見でわかるのは月曜日と金曜日はいずれの選択肢もbasketballの授業があるということですから、火曜・水曜・木曜の授業に注目することが得策だとわかります。このように見ていくと、例えば「火曜日にアクティビティがあるか否か」、もしくは「水曜日にbasketball parcticeをするのか否か」がリスニングに際してのポイントだと分かります。

この「4択⇨2択」の絞り込みができれば、あとは着目したポイントをまず1回目のリスニングで2択に絞り、そして2回目のリスニングで正解をさらに絞っていく、というやり方でNo.1同様に対処ができます。

パートC:

Part1:説明文を聞いて空欄補充

パートC・Part1で読まれる文章も説明文(2017年まではインタビュー文、2018年~は課外活動のオリエンテーション、2021年はクラス内のミーティング)の聞き取りと回答です。読上げられる問題文は少し長いのですが、空欄補充の対象となっている文章がほぼそのまま読上げられます。聞き取った単語を適切な形に訂正する、等の作業も必要なく、聞き取れたそのままの単語をそのまま回答すればOKなので難易度は高くありません。

パートCに限っては、問題文を読んだだけでも解答が予測できます。そのため、パートAやパートBを聞きながら余った時間で問題文をチラ見して、何パターンか回答候補をメモ書きしておくとよいでしょう。

具体的に見ていくと、

“reading Japanese イ.” ⇨ ”reading”という動名詞がきていますから、目的語は”books””comics””magazines”など「本」「書籍」に関する単語であることが想像できるでしょう。

”to take her to the summer ウ.” ⇨ 夏のウ.に連れていく、とありますから”camp””festival””event”など「イベント」関連の単語であることが想像できるでしょう。

こうしたあたりをつけて聞いていくことで、よりピンポイントで聞き取ることができるようになります。

Part2:会話文

昨年同様Part2はパートA同様、会話文に続く正しい文章を答えさせる問題です。パートA同様に文章も回答も印刷されていないため不安を感じるかもしれませんが、Part2も会話を聞き丁寧に条件を整理していけば難しくありません。

基本的なシチュエーションは、会話の登場人物が「僕はAがしたい」「私はBがしたい」という意見を述べ合い(小学校の英語の授業でやりませんでしたか?アレです)、それに対する理由説明や提案などが続くという内容です。会話文が多少長めなので「誰が」「いつ」「何を」「なぜ」するのか、というポイントを箇条書きでメモできるようになるのが理想です。ですから、リスニングの最中に「リスニングを妨げないメモ書きのテクニック」が必要になってきます。

メモ書きは人により「単語」レベルがいいのか、それとも「フレーズ」ベースの方が良いのかはお任せいたします。人によっては「イラスト」でメモをとる方もいらっしゃるでしょう。やり方は人それぞれあると思いますが、いずれにせよ「あとで見直して内容が思い出せるメモ書き」になっていることが重要です!

全般的な指摘:

①第二問以降の先読み

リスニング問題全般に関して言えることですが、2回目の放送を聞く必要がない(それくらい簡単な)場合、第二問以降の読解問題をちょろちょろ読み始めるか、可能であれば解き始めるかして下さい。問題文を読まなくても解ける短答問題を見つけて、先行して回答する訓練も効果的です。

これは一見邪道な解き方に見えますが、「英作文」に使える時間を少しでも確保してもらいたい、というのがこれをお勧めする理由です。先日の投稿でも所感で述べたように、上位校志望の学生ほど短答式は完当を目指してくるでしょうし、実際差がつくのは英作文だと思われます。だからこそ、リスニング問題は必要最低限の時間で片付け、余った時間を長文・短答問題に回し、英作文のための時間をどれだけ多く確保できるか、が重要だといえます

時間は50分しかありませんし、割とすぐ時間になってしまうなと感じました。実際、この解き方をしても40~45分程度かかりましたので、当日の見直しの時間はほぼないという前提で臨んだほうが良いでしょう。従来のセンター試験と大きく異なるのは「大量の問題をある程度長い時間の中で解く」形式ではなく、「短い時間の中で精度の高い回答を行う」ことが求められる解答形式なので、集中力を切らさないメンタルも必要になります。

一回で聞き取る訓練

当日は幸いすべての問題が二回ずつ読まれますので、一回で聞き取れなくても大丈夫です。しかしながら、それは試験当日だけの話だと理解しておいてください。つまり普段は基本的に一回で全て聞き取り、理解するという訓練を積んでおいてください。そうした訓練をしているからこそ当日安心できるのであって、試験当日と同じ条件で勉強していては訓練になりません。日頃のリスニング学習は、基本一本勝負で臨んでください。二回収録されている教材は二回目を飛ばすなど、「意地でも一回で聞き取ってやる」という意欲が必要です。

ただ、どんなに対策を重ねていてもやはり聞き取れないことはありますので、その際は焦らず、気持ちを切り替えて2回目に臨めるようなメンタルも鍛えておいてください。食らいつく意地も必要ですが、万が一の時のメンタルリセットの方法も自分なりに習得しておいて損はないです!

リスニングの解法についての解説は以上となります。次回は読解問題の解法です!お楽しみに。