【連載】「中高オール学年一位」の秘訣 ~マイナス思考とプラス思考へ その二~

皆様

いかがお過ごしでしょうか?

前回の投稿ではかなり「両面思考」についての話が盛り上がりましたが、今回の投稿はその「両面思考」の延長線上にあるお話です。

さて、3点目のマインドセットは「モチベーションの持続力を高める2つの思考法」(230頁)です。

その2つのキーワードとは「両面思考」と「リフレーミング」です。これらについて解説をしていきます。

さて、前回の「グラスに半分の水が・・・」の話を少し思い出してください。

その本質は何だったでしょうか?

 

そう、「ポジティブ/ネガティブ」のどちらも大事だ、というお話でしたね。

実はこのネガ・ポジ両面からとらえられる能力(つまり両面思考)というのは、特に東大入試のような「メタ認知能力」を試す問題を解凍する際にあたっては非常に重要になります。

この「両面思考」、本書を読んで当時のことを思い返すと、私が最後まで苦手だった「東大日本史」はまさにこの「両面思考」をビシビシ問うてくる非常に良い問題だったなあと感じています。

なじみのない方もいらっしゃるかもしれませんので少し説明を加えると、東大日本史というのは大問が4問で全て記述式。ですが知識を一問一答で答えさせるものは一問もなく、全ての問いが「資料を読み、回答しなさい」と必ず「与えられた資料から読み取れる事象・原因・背景を、教科書で習った知識と結び付けて総合的に回答する」という、かなり高い思考レベルを問われる問題です。

例えばとある村で毎年収められた年貢米の量の変化を読み取り、農民の困窮ぶり、その背景となった当時の土地制度(荘園制度や守護地頭制度など)の変遷を問わせる問題、といった出題形式です。

何を書いてあるのかよく分からない古文書の一部分が文字起こしされ、その古文を現代文に解釈しなおして内容を読み取らなければならなかったのである意味では「古文」や「資料読解」といった国語のスキルも問われる問題です。

何が難しいかというと、ミクロな見方(つまり資料読解)は解答の必須要素なのですが、さらにそのミクロの視点を教科書に書かれてあるマクロレベルの知識と組み合わせて俯瞰的・総合的に回答を作らなければならない。これが非常に大変なのです。

古文書読解って、こういう作業なのかなと思いながら当時は訳も分からず回答していました。

東大日本史の問題は、ビジネスパーソン向けの思考力トレーニングの良い教材としても紹介されているくらいで、やはり東大入試は認知能力だけでは太刀打ちできない。むしろ「メタ認知能力」の高い人間でなければ成功することはできない、という意味で東大入試はある意味「修行」のようなものだなと私も感じます。

そして、東大に入るためだけではなく、この「両面思考」は社会に出てからも非常に役立つスキルです。

特に営業職、コンサルタント職など多くの利害関係者の話を聞き、それを踏まえたうえで最適なソリューションを提供するような職種ですね。自分の意見だけではなく、相手の意見も考慮したうえで総合的に浮かび上がる最適解を根気よく見つけていかなければならない、という意味で高い「メタ認知能力」が求められます。

そうした職種に限らず、ビジネスパーソン一般のビジネススキルとしても「メタ認知能力」は成功を生み出しやすい能力だと言えるでしょう。なぜなら自分だけでなく「相手」「第三者」といった、自分以外の立場・主義主張の人間の考えもくみ取り、アウトプットに反映することができるからです。

周囲から支持され、応援されやすいビジネスパーソンに共通している傾向だと言えるでしょう。応援してくれるから、自分ひとりの力では決してたどり着けない、より高いステージに行くことができる、より高いアウトプットができる。だから評価が良くなり、自ずと成功につながりやすい。そんな好循環が生まれやすいのだと思います。

だからこそ、前回の投稿でご紹介した母の言葉を借りれば「色々な物事の見方をしてごらん。答えは一つじゃないんだよ」と常に自分に問いかけ、もっと違う見方はできないか、と物事を深掘りして見て行く思考習慣は、若い頃から是非身につけておきたいものですね。

学生時代は何かと反抗期になりがちだと思いますが、両親への反抗とは別に、この思考訓練は是非しておくべきです。

 

そして二点目の「リフレーミング」。本書では「枠組みを変える」「見方を変える」(234頁)と紹介されています。

「リフレーミング」とは聞きなれない単語ですが、一体どういうことでしょうか?

例えば「ネガティブな思考になっているときに、敢えてプラス思考でとらえなおしてみる」、もしくは「プラス思考になっているときに、敢えてネガティブな思考から考察しなおしてみる」といった形で、プラス・マイナスをいつでも切り替えられるような心の余裕を持っておくことです。

これは次のマインドセット4とも関連するのですが少し解説を足しておきましょう。

本書でも「『マイナス』に傾き過ぎているなら、『プラス』にスイッチを切り替えるようにする。逆に『プラス』が強すぎるなら、敢えて自分を追い込んで『マイナス』に切り替えてみる」(236頁)ということですが、これによって「モチベーションの持久力が高まるはず」(同頁)と述べられています。

そう、リフレーミングとはモチベーション維持のための手段だ、ということです。

ネガティブをポジティブに、という話は何となく理解できるでしょうが、その逆ってちょっとイメージしづらいかもしれません。

ですが、例えば試合前のアスリートのリラックス方法などを思い浮かべればすぐに分かるかと思います。

競技直前のアスリートは、体が疲労しないように(体力温存のため)、簡単なウォームアップで済ませたり、人によっては仮眠を取ったり音楽を聴いたり、リラックスして臨む方がおそらく大半かと思います。東京オリンピックでもそうしたシーンが数多く見られたかと思います。

あれも「頑張るぞ」「勝つぞ」「記録更新するぞ」という気負い(=プラスの感情)が強くなりすぎて、ぎこちなくなったり、心が折れてしまったりしないよう、強すぎるプラスを敢えてマイナスのスイッチに切り替えることで、モチベーションを維持する方法だと思います。

以前の投稿でもご紹介した「ゾーンに入る」方法、しかも「意図的に」ゾーンに入るための手段の一つがこのリフレーミングだと思います。

つまり極度の緊張でも、しかし全くリラックスしてだらけてしまっているわけでもない、ちょうどよい状態を生み出すことでモチベーションを維持する方法だと理解することができるかと思います。

受験勉強も同じで、まあ要するに「たまには息抜きも必要」ということですね(笑)それを少しかっこよく言換えた表現がこの「リフレーミング」になります。

 

さて、毎回投稿が少し長いなと反省し(笑)本日はここまで。

次回はマインドセット4の話をしていきたいと思います♬