公立高校入試・英語過去問の所感と、来春の対策:その①(リスニング)

 センター試験対策に引き続き、本日から全3回で来春の公立高校・英語試験に向けた対策をお伝えしていきたいと思います。もちろん詳細は授業でお伝えしていきたいのですが、解法のベースとなりますのでご参考になれば幸いです。

 センター試験チャレンジでもお伝えした通り、私はもう学生離れて20年以上経つオジサンです。そんなオジサンでもこれだけやれば解けるのだから、頭の柔らかい君たちにできないはずがない!と喝を入れるのが目的。早速第一問リスニングから見ていきましょう。

第一問:リスニング

 パートA:会話文

 会話文に続く正しい文章を答えさせる問題です。会話のスピード/語彙レベル自体は平易で、特に聞き取りづらい単語や表現等は見られません。非常にオーソドックスな出題です。文章も回答も印刷されておらず、単純に正誤を選ばせるだけなのでそこが心理的に不安を覚えるかもしれませんが、過去問できちんと対策をしておけば焦ることもありません。

 パートB:会話文(イラスト付き)

 会話文を聞き、正しい回答をイラストから答えさせる問題です。会話のスピード/語彙レベルはパートA同様に平易で、特に聞き取りづらい単語や表現等は見られません。出題傾向は大きく分けて「分類系」「描写・説明系」「数字・曜日系」の三パターンに分かれます。

 <分類系>イラスト内の選択肢をよく見ると四択が2つの系統に分類できるので、その分類のキーワードを頭に入れておき(男性/女性、眼鏡をかけている/いない、立っている/座っている、髪が長い/短い、など)、そのキーワードを集中的に聞くというやり方がオーソドックスな解法です。

 <描写・説明系>選択肢の一つ一つが違っており分類が難しいため、四択のまま問題文を聞かなければならず少し不安を覚えます。この描写・説明系の問いに対しては「会話のシチュエーション」を正確にとらえることが大切です。「誰と誰が」「どこで」「どのような状況で」なされている発言なのか、を的確に理解することが必要です。

 <数字・時間系>数字や曜日、時間等の聞き取りはリスニングの王道問題ですので、しっかり対応できるようにしておきましょう。気を付けるべきポイントは

 ①数字:「13~19(-teen)」と「30~90(-ty)」の発音の的確な聞き分け

 ②時間:「~時10分前(before 10 minutes)」「~時15分過ぎ(past 15 minutes)」などの表現。”~ o’clock”もしくは”~ hours”が耳に入った瞬間に気が少し緩んでしまうのですが、必ず”before 10″,”past 15″等の表現が続くかもしれない、という緊張感を維持して聞いてください。

 ③曜日:曜日の単語が聞こえたとしても即断せず、「来週(next)」「先週(last)」「翌日(next day)」「前日(the day before)」等の条件と合わせて何曜日・何日なのか、を的確に判断できることが必要です。

パートC:

 Part1:説明文を聞いて空欄補充

 パートC・Part1で読まれる文章も説明文(2017年まではインタビュー文、2018年~は課外活動のオリエンテーション)の聞き取りと回答です。読上げられる問題文は少し長いのですが、空欄補充の対象となっている文章がほぼそのまま読上げられます。聞き取った単語を適切な形に訂正する、等の作業も必要なく、聞き取れたそのままの単語をそのまま回答すればOKなので難易度は高くありません。

 パートCに限っては、問題文を読んだだけでも解答が予測できます。そのため、パートAやパートBを聞きながら余った時間で問題文をチラ見して、何パターンか回答候補をメモ書きしておくとよいでしょう。

 Part2:会話文

 Part2はパートA同様、会話文に続く正しい文章を答えさせる問題です。パートA同様に文章も回答も印刷されていないため不安を感じるかもしれませんが、Part2も会話を聞き丁寧に条件を整理していけば難しくありません。

 基本的なシチュエーションは、会話の登場人物が「僕はAがしたい」「私はBがしたい」という意見を述べ合い(小学校の英語の授業でやりませんでしたか?アレです)、それに対する理由説明や提案などが続くという内容です。会話文が多少長めなので「誰が」「いつ」「何を」「なぜ」するのか、というポイントを箇条書きでメモできるようになるのが理想です。

 全般的な指摘:

 ①第二問以降の先読み

 リスニング問題全般に関して言えることですが、2回目の放送を聞く必要がない(それくらい簡単な)場合、第二問以降の読解問題をちょろちょろ読み始めるか、可能であれば解き始めるかして下さい。問題文を読まなくても解ける短答問題を見つけて、先行して回答する訓練も効果的です。

 これは一見邪道な解き方に見えますが、「英作文」に使える時間を少しでも確保してもらいたい、というのがこれをお勧めする理由です。先日の投稿でも所感で述べたように、上位校志望の学生ほど短答式は完当を目指してくるでしょうし、実際差がつくのは英作文だと思われます。だからこそ、リスニング問題は必要最低限の時間で片付け、余った時間を長文・短答問題に回し、英作文のための時間をどれだけ多く確保できるか、が重要だといえます。

 時間は50分しかありませんし、割とすぐ時間になってしまうなと感じました。実際、この解き方をしても40~45分程度かかりましたので、当日の見直しの時間はほぼないという前提で臨んだほうが良いでしょう。センター試験と大きく異なるのは「大量の問題をある程度長い時間の中で解く」形式ではなく、「短い時間の中で精度の高い回答をスピーディーに行う」ことが求められる解答形式なので、集中力を切らさないメンタルも必要になります。

 ②メモ書きの要否

 リスニング問題でメモ書きをすべきかどうか、悩まれる方もいるかもしれません。私は「できればよいが、しなくても問題なし」と考えています。メモを取らないと頭に入らない生徒にはメモを勧めますが、逆にメモを取ることに集中するあまり聞き取りがおろそかになるようなら、メモは取らずに聞き取りに集中させるよう勧めるでしょう。メモを取るにせよ取らないにせよ「内容を理解する」のが目的であって、メモ書きはそのための手段でしかありません。手段をあれこれ悩むくらいなら、その分をリスニング力の向上に振り分けるよう私ならアドバイスします。

 ちょっと話はずれますが、社会人になってどの会社でも必ずいる、「メモを取りなさい」「メモは取らずにその場で理解しなさい」という2パターンの人間。私は色々試した結果「メモを取ることが重要なのではない」という、ハイデガーの弁証法的な結論を得ました(笑)つまり、仕事のパフォーマンスが上がるかどうかが重要なのであって、メモを取るという「手段」がクリティカルな問題なのではない、という結論に至りましたね。もし当塾で教えるのなら、「~すべし」というマニュアルやテクニックを教え込む教育ではなく、「~するためにはどうするか」というより実践的な思考訓練も一緒にできれば楽しいなと思います(そしてそれがまさに当塾の理念です!)

 ③一回で聞き取る訓練

 当日は幸いすべての問題が二回ずつ読まれますので、一回で聞き取れなくても大丈夫です。しかしながら、それは試験当日だけの話だと理解しておいてください。つまり普段は基本的に一回で全て聞き取り、理解するという訓練を積んでおいてください。そうした訓練をしているからこそ当日安心できるのであって、試験当日と同じ条件で勉強していては訓練になりません。日頃のリスニング学習は、基本一本勝負で臨んでください。二回収録されている教材は二回目を飛ばすなど、「意地でも一回で聞き取ってやる」という意欲が必要です。

 ただ、どんなに対策を重ねていてもやはり聞き取れないことはありますので、その際は焦らず、気持ちを切り替えて2回目に臨めるようなメンタルも鍛えておいてください。食らいつく意地も必要ですが、万が一の時のメンタルリセットの方法も自分なりに習得しておいて損はないです!