センター試験過去問の所感と、来春の対策:その②

前回投稿に引き続き解説です。第三問パートBから早速見ていきましょう。

第三問パートB:会話文・空欄補充

 パートBもパートAと同様に「問題文の全部を読むな!」という解法で対応可能です。

パートBの空欄補充は基本的に「直前直後のセンテンスの言い換え」です。例えば2020年・本試験の出題では次のような出題がありました。

 Akira : you’re saying that (選択肢)? → Jenna : Yeah, I think that I could work in Japan, too.

この文章だけを見るだけで(選択肢)の内容は「I think that I could work in Japan」の内容を①肯定し(Yeah,…)、かつ②言い換えている(…, too)内容だと想像がつきます。そしてこの推測に最も近い選択肢をマークし、次の問題に進んでください。会話文の空欄補充もたまに意味がとりづらい場合があり、ハマってしまうと非常にもったいないので、全体の見直しの時に初めて全文を読み返すということを心がけてください。

ちなみに2018年/2017年・本試験の出題も

 2018年 Jennifer : So, are you saying that (空欄)? → Michael : Yes, that’s right.

 2017年 Alice : Tom, are you saying that (空欄)? → Tom : Yes, that’s correct. 

と全く同じ形式で問われています。2018年の出題は「So,…」と始まっていることから分かりやすいですが、いずれの年の出題も「直前の文章/センテンスの要約」が問われていることが分かります。

パートBは一見会話文の理解を問うているように見えますが、実は「会話文形式の文章読解問題」なんだ、という意識で臨んでください。

第四問パートA:資料読解・内容推測

第四問からやっと大学入試問題らしくなります。第四問パートAは資料読解問題です。

パートAは与えられた資料を英文から丁寧に解析していきます。第四問以降は問題文を丁寧に読み込んでいかなければならず、時間がかかります。だから第三問までの問題文は不要なものは思い切って読み飛ばし、節約した時間を第四問以降に回すことが必要になるのです。

出題も文章全体の要約内容を問うもの、「本文の理論に基づけば、どれが正しいか?」といったコンテキスト理解の応用問題など、付け焼刃では対応できません。日頃からある程度内容のしっかりしたもの、特に高校生向けに書かれた学術書の抄訳本などに触れておくといいかと思います。

またパートAで毎年出題される形式が「本文に論理的に続くと思われる内容はどれか?」というものです。一見すると内容推測か?どうやって解くの?と焦りますが、これも全く難しくはありません。解法パターンが決まっており「文章の最終パラグラフの言換え」で対応ができます。

それが証拠に、こうした学術論文系の文章ではかならず「ディスコースマーカー」によって論理が展開されます。ちなみに各年がどうだったのかというと、

 2020年・本試験:This will be addressed in the following section.

 2019年・本試験:Both issues will be taken up in the following sections.

 2019年・追試験:In the next session, …

 2018年・本試験:The next part of this passage will examine the topic.

 2018年・追試験:The next part of this passage will focus on this issue.

 2017年・追試験:We will focus this on the following section.

見てもらえれば分かるように、「このテーマを次のセクションで検討します」ということを示すためのディスコースマーカー”in the next / following section“が最終パラグラフの最終文に明確に示されています。だから「このテーマ」が指す内容を精査すれば、それがそのまま回答になります。つまり純粋に本文から内容を論理的に推測するのではなく、実はただの「直前までの文章の内容/コンテキストの言い換え」が問われているのだと分かります。

このパラグラフリーディングの読み方ができると長文読解が構造的にできるようになるだけでなく、その次のパラグラフライティングの訓練にもつながってきます。国立二次で自由英作文が課されている大学志望の方(石川県内では金大)はしっかりとこの概念を理解し、使えるようにしておいて下さい。

また宣伝になりますが、こうした「ディスコースマーカー」を目印として文章を読解していくパラグラフリーディングを当塾では重点的に訓練していきますので、お問い合わせいただければありがたいです。

第四問パートB:資料読解

 パートBもパートAと同様資料読解ですが、パートBで使われる資料は「イベントの案内」といった、日常生活でよく目にするソフトな内容のものです。難易度はパートAよりも平易ですが、ひとつ癖があり「全体でいくらになるか?」という数値(たいていは金額)を必ず問われます。この形式の問いは、公立高校を受験された方は毎年必ず問われる形式なので、「ああ、あれか」と覚えている方も多いかと思います。そう、あれです(笑)センターでも解法は全く同じで、資料中に示されている条件を正確に理解できているかどうかが問われます。例えばこんな条件がありました

 2020年・本試験:①屋内であれば水道が利用可能②両日申し込めば2ドルディスカウントあり

 2019年・本試験:5歳未満(under 5 years old)の子供は入園無料

 2019年・追試験:4歳以下(4 years old and under)の子供は入園無料。12歳以下の子供(12 years old and under)は保護者の同伴必須

 2018年・本試験:10~15歳の子供は、100ドルで父親と一緒に参加可能

 2018年・追試験:①長袖長ズボンの着用必須②靴下着用必須③乗馬用の帽子とブーツの貸出無料

 2017年・本試験:①提出テーマは一人につき一テーマのみ②締切日後の提出は受け付けない③今回の投稿が初回、かつオリジナルであること

 2017年・追試験:①発送は2~5営業日②発送料が別途10ドル必要

でした。いずれも読み解く分には平易な内容なのですが、一つ注意しなければいけないのは数字(年齢)の「未満」「以下」の違いです。

ここで前置詞の簡単な復習をしましょう。”Under 5 years old“は5歳「未満」です。「以下」を表したい場合は2019年・追試のように”5 years old and under“となりますので注意してください。仮に条件が”free for children under 5 years old “の場合、問題文で「両親と6歳・5歳の子供同伴の場合値段はいくらか?」と問われたら子供二人とも有料となりますので注意が必要です。

幸い今までのセンター出題では、表中の条件と合わせて読み込むことで”Under 5 years old”が「未満」であると容易に読み取れるようになっていました(表中に「5-10歳の子供料金」の紹介あり)。ですが来年以降は純粋に文章のみから読み取らせる出題も十分あり得ます(私ならそう出題します!)。なので「以下」なのか「未満」なのか、「以上」なのか「より多い」のか、といった数字の際(きわ)をあらわす表現を今一度見直しておきましょう。ここでは敢えて答えを書きませんので、きちんと調べて復習してみてください。第四問以降は一問あたりの配点が5点、6点になってくるので、一問間違えただけで結構な痛手になります。こうしたつまらないひっかけ問題で取りこぼしのないよう、今から丁寧な対策が必要です。